ジーニー!/末松 努
 
ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する

だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界に
いるからなのか

振動するきみに私が
どこまでもどこまでも
共鳴すると信じることは
たやすいことではない
しかしきみは
黙ったままだ

ジーニー
そこにいるのはわかっているのに
そこにいるかと問うてしまう
きみのことを
信じようとすればするほど
三次元では
「止まれ!」と
人の声が木霊するのだ
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