+2℃/青の群れ
そうや、おらんかったね
自分以外の人がいる居間は暖かかった
冷えたこたつの中で丸く、眠るその影に小さく蹴りを入れても
明日もそうだろうね、言い訳することもないよ
灯油を乗せた車の音楽が響く町
厚手のニットを着たり
長袖のヒートテックを着込んだり
ウールのコートをまとったりする
わたしたち寒さに抵抗するすべを持っていないから
無意識のうちに冷えていく
冬の寒さにも、夏の暑さにも
血は流れ続けて常に温度を交換している
7年もあれば体の細胞はすべて入れ替わるらしい
お昼の情報番組のことなんてすぐ忘れてしまうけれど
忘れられないとおもっていたことを考えない日
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