読書と表現/葉leaf
義とも異なる。私にとってインプットとアウトプットは、恐らく自らの平衡と世界との平衡を保つための生命活動に他ならない。
私は人生の問題、社会の問題について鋭敏な意識を持っている。生きていく中で直面する様々な問題を鋭敏に察知して、それを課題として引き受けてしまい、それがわだかまりとして蓄積していくという厄介な性格の持ち主だ。問題を察知したとき、私の中の平衡が崩れると同時に、世界と私との平衡も崩れる。私はそれらの平衡を取り戻すため、教養を積み、文章で問題に一応の解決を与える。問題に解決を与えることで、平衡はその部分において回復する。
感受性の病にとりつかれた人間は、自らの精神の生存、その平衡のために、常に読書しまた表現していかなければならない。
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