海辺にて/zitensha
あなたの静かな骨の上を一本の真新しい国道が通る
あなたの大きな悲惨の中を一つの真新しい意味が走る
眠るあなたの骨が今こうして車輪の下で砕かれていく
ぼくはその音を聞いているのだ
きみにはその音が聞こえるだろうか、骨が砕かれる、その音が
震えるような雨は降るだろうか
あの震えるような雨は
あの匂い立つような雨は
綾羅から新羅を超えて
新羅から満州へと至る
一つの回路を切り開く雨の匂いはどこへいったのか
雨は距離という距離を無化する
距離という距離を無化してぼくらはあなたに近づきたい
あなたの静かな骨に直接的に触れるために
我々はどんな手段でも用いなければならな
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