《ロマンティックな挽き肉》/ハァモニィベル
 
      ――その右手の残酷は、あの左手の歓びである。


  ロマンティックな挽き肉



きみは、いま静かに床について居て
もうすぐ死んでしまうのだと、してみよう。でも、悪く思わないでくれ。

それを見た一人の友人が、「やはり最後は漱石か」。と、一言
そう、つぶやくところから、この詩は始まるが、これも悪く思わないでくれ。

するとね、きみは、死にきれずにその友人に聞くだろう。
「それは一体、何だ?」 とね。

すると友人は、こんな風に語りつづける


漱石が胃弱だったのは御存知の通りさ。それでも食への意欲は
旺盛だったらしい。
一説では、末期の言葉は
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