藍に似た色/青の群れ
 
黄色い海があってもいいでしょう
膠を火にかける、独特の匂い、かき混ぜながら換気扇を回し
くつくつと沸く鍋底を見つめる
足りない色を数えて
描けない絵のことを考えていても仕方がないね

のめり込んでいる間は忘れているのに
いつの間に夜、部屋の中は青く暗く
ただイブクラインにでもなったかのように

眩しい光の片鱗を覗き見て
往復の切符を買えばいいのだけれど
申し込みの確定ボタンを押せずにいる

あまりに強い光に焼け焦げていく人たちが、
片道の切符を買うのを見ていました


大丈夫と不明瞭なやさしさをくれる家族
眠る部屋、用意された食事、それはつまり胎内への回
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