Fw:/末下りょう
 
ずっと片目を瞑って─

まぼろしが氷をはった朝の
新鮮なドアノブ
静電気とひとつらなりの
なまあくび

冬の空気に刺さるしらふなガラスの不埒な断面 、
つつく鴉
首をあらう風の猫背に
かくれた
鳥葬の前触れ?

急速にさめてくスープを寝惚けて啜る姪っ子は
朝からずっと片目を瞑ってる
生活発表会の妖精さん役とひとつらなりの
なぞの循環系統
(うん、少しはや回しにそだてるおまじない)

色のないやわらかな石を投げる領域だった
窓の、そとの
電柱の薄いかげが
ぼよんと派手に弾んだ

瞼のような土の匂い
つやつやした水と炎の結球

朝から騒がしい
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