宿命の CANDIDE/ハァモニィベル
 
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   第 一 章


どうしようもなく雨が訪れる日々がある。
だけど長くは続かない。
けれど、あのときは…
雨は、いつまでもやまなかった…

それを予感というのなら、たしかに(言えなくもない)
けど、それは、あまりにも哀しすぎることだった。だから…、
だから、あの日…、
すべては、凍りついたんだ。あの瞬間に。


まだ少年の頃、一度だけ人が殺されるのを見たことがある・・・。
それは、ある風変わりな少女との出会いからはじまった。
恋人に殺されたい。それが少女の唯一の願いであり夢だった。
 「ねえ、あなたは、わたしをどんな風に殺してくれる?」
それが、遭
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