短歌 4/グロタン
 
菜の花を 揺らしなびかす 小夜嵐
 田畑に跳ぶは 月の光子(ひかりご)

でこっぱちに 現世利益の お札貼り
 奇跡の証(あかし) 出せと詰め寄る

春の魔に 背中押されて 浮かれ猫
 邪淫の性(さが)は 祈りにも似て

花びらの 行方は問うな 恋雀
 忍んだ果ての 散る定めゆえ

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