漂白/赤依研児
 
青く澄んだ空を見上げれば
白いシャツが一枚
笑顔でひらひら飛んでいる

ああこんなにも素晴らしい
透き通った世界が広がるのに
君は安定剤の飲み過ぎで
あまり安定とは言い難い状態

漂白された声がきこえる
遠くからきこえてくるのか
僕のそばからきこえてくるのか

ふんわり溶けた風が吹いて
それさえも曖昧になる

明日のにちようび
君はきっと僕を刺し殺そうとするだろう
僕はあの空を舞うシャツのように
ひらりひらりとかわしてみせる
戻る   Point(0)