待つ/星丘涙
 
気のふさぐ冬の朝

落ちてゆく 堕ちてゆく

こころ ひとつ ふたつ

凍てつく川に浮かぶ悲しみは

思考を歪めながら笑った

冷たい風に吹かれても

答えは見つからない

ただ うな垂れ

鈍る感受性を抱きしめた

求めても すぐに春は訪れない

諸行無常を認めつつ

狼狽しながら冬を超える

気のふさぐ冬の朝

落ちてゆく 堕ちてゆく

こころ ひとつ ふたつ

桜の木の枝を見上げ

溜息をついた

春はまだ遠い


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