或る音/
青の群れ
な低周波音
絶えず揺れている
たしかにある音、その音はたぶん十ミリヘルツと
機械で計測してそこにあったんだと思うような
人の存在、振動がきこえる
目覚める朝、空気を挟んで震える肌
この振動を共有したいと思ったりして
腕の中の感触、その下の小さな音に耳を澄まして
鳴り止まないすべての音、水中の合図の理由
イルカやくじらの声だって、そこにあって
愛を伝えたりしていて
不遇の時代を羨むような夜明けがきたら
戻る
編
削
Point
(5)