可否道その4/st
 

最高の抽出器具といわれたもので

現在も最上の味と香りを抽出できるとして
コーヒーにうるさい人びとが使っている

野点には 
サイホンは無理で ドリップも
細口のドリップケトルを運びにくい

名前のとおり
カクテルシェーカーと同じ構造で
上部のストレーナーを開けて

ボディーに挽いておいた
少し粗挽きの粉をいれ
沸騰させたお湯を注ぎ込む

そしてストレーナーの形にあわせてある
専用のろ紙をセットして
ストレーナーをボディーにもどし

手に持って軽く数回振って
1分ほど待ち
コーヒーカップにそそぐ

新鮮な空気につつまれながら
豊かな香りが広がってきて

山麓の村や美しい景色のなかに
とけこんでゆく

この清水が近くにあればよいのにと
かなわない夢を想いながら

ブルーマウンテンのようになった
ブラジルサントスを味わう


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