白い月/星丘涙
滑らかな肌に温かい指先
抱擁して温もりを感じあう
白い月が震えている
水が形を変えてゆくように
貴女の身も心もすり抜け
透明な感覚と喜びをえぐる
白い月が漂い揺れる
白い背中にひとり
猫のようにすり寄り伸びをする
愛ではない
それはエロスと呼ばれるものか
星雲に散らばっている言の葉は
汚れた母性の赤いリボン
白い月がこわばっている
理想的にねじれる肢体と目眩
のけ反る理性の反発が加速し
本能の心因は論理的に証明される
早まって断罪するなかれ
鼓動が宙と共鳴して
命が運河におとされ
それを白い月が見つめている
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