KANSAS SUNSETS/天野茂典
 
  
   



 ゆったりと牛一頭の牧の原夕日につつまれ真っ赤になりぬ

 背の高き風車なりけり水仙の夕日が低く輝いている

 海の上ほら糸電話輝いて君までとどけ夕日の粒子へ

 旧式の機械なりけりよくみれば石油掘削機のようジェームス・ディーンよ

 手書きなり君のいまいるローレンス・Kansas Sunsetsのポスト・カードは

 留守電に君の英語の美しきプロナウンスひびいていたり

 先生とあて名にありぬ面映ゆくどこまでぼくのルイジアナ・ママ

 ひと季節はずれて冷たきそうめんをすするあなたのここだ愛(かな)しき
     
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