からみあう手/田中修子
 

わたしを飲みこみ
わたしが発した
恐ろしい炎の赤と
ゆるやかに混りあい

やわらかな金桃色の
あかるいあかるい夜明の東になった

それ、わたしの憧憬だった

しなやかに筋肉が熱を発す
あなたは人をこえた獣ね
心音に耳あてる
ちいさな真っ暗な寮の部屋でわたし
果てまでの夜明け瞼にまざまざ浮かんだ

わたしはあなたをさがしあてた
あなたもわたしをみつけてくれた

からみあう、手
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