からみあう手/田中修子
ずっとあなたを探していました
ながすぎるほどのときでした
目は赤く腫れあがり
世界に火を放ちたいほど呪詛吐いた
赤錆の匂いはつきまとい離れずに
そろそろ、いいか、とおもうころ
わたし
あなたを
さがしあててね
あなたのいるまちにきちゃったわ
なんもないというけれど
夜空に星はこんなに浮かんでいるね
数えきれないキラキラね
けれどいつか
ふたりおしまいまでにかわす口づけはね
天の星より
その瞬きよりたくさんなのよ
わたし
わかるの
なぜだか知ってる
月はこんなに静かにひかるの
北のまちのさらさら雪は
肺を澄ましてゆく静謐な真っ白で
わ
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