獣と鬼火/
田中修子
しなやかな獣のようだきみは
脂肪のわずかなあたたかなからだ
むしゃむしゃごはんをたべ
わたしをむさぼり
疲れたらひっぱたいても起きずに深くねむり
あしたははたらきにゆくのだろう
眠れずにきみの
とがった横顔をみつめる
やわくひややかなわたしは
ゆるくきみにからみつき
体温を奪うかわりに
密やかに灯している
すでに人を過ぎた
青い鬼火
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