一度脱いで、またはく/由比良 倖
、ぞうきんと、洗剤を持って、机の上を磨き上げるたろやんを想像した。たろやんはとても真剣な目付きで、端の方から、四角く、拭いていくのだ。浴室を開けるとまだ湿っぽかった。それで僕は、シャワーを浴びた。僕はたろやんは小説を完成させたのだろうかと思った。パソコンはどこにやったのだろう。それにしても僕はたろやんが部屋を綺麗に使ってくれるので嬉しかった。体を拭いて、髪を乾かしているとたろやんが帰ってきた。僕がおかえりと言うと、たろやんは泣いていた。そして部屋にひとりで入っていった。
しめじご飯を炊いていた。ふたり分食べることも全然苦痛で無くなってきた。たろやんは夜中に僕が原稿用紙に何かを書いたりしてい
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