夜の森/星丘涙
夜の森が叫ぶ
ひび割れた木々の枝が揺れ動き
足下のつるに躓いて倒れた
赤い月が昇る
コウモリの群れが羽ばたき月光にてらされる
よろめきながら足を進めると
しだいに深い闇が私を呑み込んで行く
生暖かい風が頬を撫で
まるでムンクが叫んでいるかの様な感覚の中
気を失いかける
私はいつこの森に彷徨い込んだのか
なんとなくここに憧れを抱いていた
そして何時かこの夜の森に足を踏み入れてみたかった
立ち入りを禁止されていたこの森
私の魂を深くねっとりと蝕んでゆく
時間の感覚はとっくに失ってしまった
神秘的かつ狂気に満ちている世界
笑いと雄叫びが響く中
悪霊たちが渦巻いているの
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