夜/白島真
 

夜 小鳥たちは哀しみの巣をつくる
発動機の音がちいさな心臓をふるわせ
人も鳥も水に逃げようとしている
死は同じひろがりで樹下闇を照らし
美しいものの名をわすれていく
冬 かじかんだ指先が
もえるオリオンを指ししめす
盲目の疵跡に
蠍座をしのばせて

戻る   Point(14)