午後の散歩/レタス
クヌギの林が枯れました
ぼくはシャクシャクと
林の小路を歩きました
栗鼠がドングリを咥え
樹の幹を登ります
初冬の薄い日光は肌を刺すことも無く
ひっそりと肩を抱き絞めてくれるのです
林の奥の空き地では
老人が落葉と小枝をかき集め
緩やかな焚火をしていました
穏やかな日ですね と 問いかければ
老人はにっこりと笑い
焼き芋をぼくに差し出し
手のひらに乗せてくれました
熱くてびっくりしたぼくは
芋を落としそうになり
少し戸惑い
後ずさりしながら
老人の好意を陽の光のように
抱きしめました
ぼくは栗鼠のように芋を頬張り
林を守る老人にほっこりと
頬笑みを送りました
カラカラと笑いながら
彼は小枝を集めては
静かな焚火にくべて
明日の天気を占いました
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