不在の身体/シホ.N
 


眼は
閉じるためにある
闇と親しくなるように

  暗黒に潜む
  閃光

耳は
塞ぐためにある
沈黙に浸されるように

  静寂に沈む
  音声

腕は
抱えないためにある
空中を掻けるように

  手放すべきもの
  もとよりない

足は
立ち止まるためにある
地に根を張れるように

  歩むべきこと
  前後もない

身体中の
あらゆる不在こそが
あるいは
在ることそのもの


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