短詩4篇/白島真
「孤島」
樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない
その姿をしずかな水面に映している
「破船」
透明な樹があったら
私はちいさな魚となってくぐり抜けたい
泥のついた樹の根のような海
水面には人々のざわめきや
戦火の叫びが炎となってゆらいでいる
私の吐き出すしずかな水泡は
もうそこには届かない
海底ふかく破船に埋もれた詩の宝庫
ひららひらら
振り返らず泳ぐ
あおい魚となって
「白光」
抱
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