生きていくこと、/葉月 祐
踏み付けられた
つぶされた
わたしはそれでも
生きている
揉みくちゃになり
みっともない
姿になっても
生きている
茎が折れて
羽根のような葉もちぎれたけれど
どうしようもなく
膨らみ続けるもの
飛べないわたしが
空に夢を重ねる
そこにはいけないから
大地に根を張り 天空を見つめ続ける
真冬ですら変わらずに育つ おもいの花
はち切れそうなつぼみは
抱えきれない想いのかたち
誰にも見つけられず
傷だらけになっても尚
わたしは咲こうとしている
痛め付けられ 悲しみに暮れ
誰にも見えない涙を流してきた
それでもわたしは明日を待つ
生きる
生きたい
生きていく
たどり着く答え
弾けた 花びら
いつかやわらかな
真新しい命をうみだす
年輪のような傷を持つわたしのからだ
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