舞台の中で生きるように/葉月 祐
と向かう
時には虚構を
一匙だけ混ぜ合わせてみたりして
逃げ出す事の出来ない
ステージに立ち続ける
未熟な主人公が持つただ一つの祈りを片手に
暗闇に潜む観客達の透明な視線に応える様に
もしも この舞台が破綻していたとしても
生きている限り 緞帳が下がる事は無い
途中降板が許されない 一冊だけの台本の世界で
私達が生きる唯一無二の時を生き続けよう
喜劇と悲劇の狭間の行き来を繰り返して
たとえ今が 悲劇の真っ最中だとしても!
見届け 見つめていかなければならないものがある
深夜の国の色を放つホリ
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