秋の朝に/
レタス
秋の日に
ポタリ ポタリと
蛇口から水が滴り落ちる
秋は寂しいから
そんな滴の音さえ美しく
暇を紛らわしてくれる
停滞した思考を蘇らせ
滴は止まない
ポタリ ポタリ
秒針と符号し
静かに落ちてゆく
傍らに眠っている君は
感じているのか
昨夜の情事に溢れた君は気づくはずもない
覚醒と虚無に侵されたぼくだけが
時計を見つめ
ポタリ ポタリと
水滴の音を聴いている
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