みどりいろ/
レタス
羽化が近づいている予感
ほろほろと皮膚が剥がれてゆく
ほろりほろり
皮膚がはがれてゆくのだ
それはあまりに残酷な悲劇で
わたしには耐えられない
そこに緑の陰があったなら
少しは救われるはずなのに
淡い
淡い
緑いろ
半獣神が笛を吹き
ぼくたちを集めて
今宵の獣舎に誘い
何事もなかったように
時計は正確に秒針を刻み続ける
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