なまはげがつくってくれたチャンプルゥ/コトコレ
まはげに嘘はバレる。そんな気がする。これいじょう黙って
るのもだめだ。沈黙は「マズかった」の表現にバケてゆく。感
謝のきもちをわすれず、なおかつ正直であるべくして、
「不快だがありがとう」
ぶんなぐられたあとの冬景色、くろぐろとした松に荒縄でしば
りつけられながら、ぼくは反省していた。ぜったい的な悪が裁
く者であるとき、悪い子にならないためには、あいてのきもち
もじぶんのきもちもどーでもよくて、あいてにもわかるざんこ
くな事実だけがたいせつなのだ。「すげえ青かったです」とか
そういうことなんだ。とき、すでにおそく、背をむけたなまは
げがシュカーッシュカーッて包丁研いでる。出刃包丁でチャン
プルゥつくってんじゃねえよ。
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