寂しい嵐の翌朝/ゴースト(無月野青馬)
 
嵐の翌朝
彼は
うちひしがれて
うずくまっていた
山の形さえ変えてしまったほどの寂しい嵐の翌朝


転がっている木
転がっている若い実


不確かな明日だ
不確かな昨日だ
続く道がない
続く道がなくなった
咲く花もない
咲かせる土もない
そして
彼は感じていた
昨晩からずっと感じていた
樹木の亡霊が作り出す架空の森を


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