勇気/鷲田
眼は無意識の影に嘘をついた
葉は秋風の寒さにユラユラと舞った
アスファルトには人の歩んだ体温が反射して
道が生まれた
正直を語る時
世界は凍り付く
瞳が見る世界は残酷だ
暗闇は休息への入り口
あなたは今日も嘘を付く
呼吸をするように気体を吐く
社会は世界から分離して景色を失った
私は秋と共に暮れて行く
一つの嘘は真実を語る時の道下の溜息
私は今日も生きる
生きるからこそ臆病に染まる
在りのままであること
それは谷の底へと身を任せる
人の勇気に他ならない
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