遺書/
zenyama太郎
独居老人二人が
道の真ん中で立ち話をしていた
「夕べはほんとに死ぬかとおもったわよ、
思わず遺書を書いたわよ」
「あたしもこのあいだほんとに死ぬかとおもったわよ、
あたしも遺書を書いたわよ」
「今度遺書を書くときには
『現金はすべてホカチャンに渡してください』
って書いてくださいよ」
と僕が言ったら笑っていた
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