待っている人/zenyama太郎
 
故郷の父と母が亡くなってからは
故郷へ帰らなくなったという声を
よく耳にする
待っている人があればこその
故郷なんだろう

自分の家も
待っている人がだれもいなければ
さびしいものだろう
この間退職した六十代の独身男性が
従兄弟に話していたそうだ
「若い頃あんたのお父さんに
何回も見合いを勧められたんだけどね…
あの時言うことを聞いていれば良かった
とこのごろしみじみ思いますよ」と


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