ところにより/Seia
 

残念な目的を果たすため乗ったバス
次の停留所を伝える声が
なんだか常世のひとみたいだった
このままあちらの世界へ
引っ張っていってくれてもいいのにと
願いかけたのに降ろされた現世

水平線がみたかった
思い立ったらすぐにでも
行けなくもない
範囲内で生きているのに
どうにも車線変更ができない

目指すべき場所があるから
用意し抱えた荷物の多さ
地平線だけを頼りに
素足で駆け抜ける軽さ
ふたつを天秤にかけたところで
一定の地点で安定するのは
わかっているのだけど

風が肩から肩へ
ゆるりと流れている
重苦しい気配を連れて
靴の先からたどる
タイル
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