失恋/本城希望
僕は今、そこはかとなく広がる大海の真ん中にいる
僕の視界に入るのはイヤミなほど青い空と
僕を飲み込もうとするぐらいの群青色の海
そしてそれを繋ぎ合わせている水平線
あとは何もない
孤独だ
まったく孤独だ
誰も手を差し延べてはくれない
助けてくれ
苦し紛れに足掻いても
陸地に辿り着ける筈もなく
ただただ無駄な体力を消耗するだけだ
嗚呼 今こうして想うのは君の事だけだ
あた温かい君の胸に抱かれたい
あの柔らかい君の肌に触れたい
何故僕はこんなにまでの孤独を味わわなければならないのか
いったい僕が何をしたというのだ
君に会いたい
どうしようもなく君に会いたい
はたしてこの想いは届いてくれるのだろうか
この大海の藻屑となってしまう前に
君に再び辿り着く事ができるのだろうか
嗚呼 神様今だけは貴方を信じよう
これが今の僕に残された
たったひとつの生き残るための術なのだから
今でも君を愛している
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