ポプラの唄/服部 剛
 
秋の夕陽のふりそそぐ
歩道の人々に紛れて
ひとりの妊婦が傍らを、過ぎた。
――そっと僕は祈る。

遠い背後から
ポプラ並木の囁きが
さわさわと…夕凪に運ばれて
僕の靴音は、密かな幸いを唄い出す。  





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