九月の残暑/……とある蛙
 
天気が良いなどという言い回しは誰が考えたんだか。
九月の晴れ渡る青空は凶暴としか言いようの無い
殺人熱光線の矢を地上に叩き込む。
しかも肌に纏わり付くスチーム爆弾を抱え込んで
アスファルトが歪んで見え
路上は空気がゆらゆらと揺れている
いくらかの食い扶持目当ての
職安を通さない労働者たちが
暗い目をした手配師を待って
ターミナルビル手前の歩道の一角に行儀よく並んでいる

爪を噛みながら、ターミナルビルの向かいのビルから
それを眺めている実態の無い自分は
腕時計を忘れたためいつまでたっても午後1時40分
道は次第にメルトダウンし始め、うねり出し
クラクラする目眩ましは夢
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