雷鳥/
ガト
古い温泉街の
しめやかな抜け道を思い出す
真上から照らされる焼けた道は
傾いた屋根の
濃い影ができている
つぶれかけのタバコ屋の角に
赤茶けた古いポストがあって
その手前を曲がれば
叔母の家があった
何十年経っても
子供のころの記憶は色褪せない
時々無性に
あの町に行きたくなる
今はもう
誰も居ないけれど
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