コモドアーズ/MOJO
 
ゃんに怒られても、平気で暴れた。こもだなおきを、馬乗りになっていじめた。お婆ちゃんは、いくら怒っても暴れるぼくの両手を後ろ手に縛り、門の脇の、駐車場の柱に括り付けた。夕方 になって、ぼくを迎えに来たママは、柱に括り付けられているぼくを見て、たいそう怒った。お婆ちゃんに
「うちの子に、何をするんですか!」
 と怒鳴った。お婆ちゃんも、怒鳴り返した。
「この子は、うちの窓の障子を全部破いたんだよ!」
「だからって、縛ることは、ないじゃないですか!」
「この子には、いくら言って聞かせても無駄だから、こうするほかなかったんだよ!」
 こもだなおき、の家からの帰り道、ぼくの手を引いたママは、泣いていた。とても、悔しそうだった。ぼくも、なんだか、悔しいような気がして、泣いた。
 それも、つかの間、ぼくは、相変わらずのいたずら小僧で、近所のお寺の池で、インスタントラーメンをふやかして食べたり、お寺で飼ってる犬に、グロンサン(当時の強壮剤)を飲ませて、和尚さんから、罰当たりな子供だ、と怒られたりしていた。

 石神井公園に、まだ、カブトムシやクワガタがいた頃の話である。
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