night moves/あおば
小仏峠を抜け甲州を疾走しているだろう
乗客達は眠れているだろうか
運転士は眠らないで欲しいと願うが
彼も流れ星と渾名された若い頃があった
日は東に西に
バスも東に西に
北口に向かった僕は
とうとう終電車に乗り遅れ
薄暗い夜空を一晩中眺めながら
時々シャツターを切り
お金の無駄遣いをしている
さらばさらば一葉も逃すまいぞと
夜の秋風が耳元で囁くけど
野分の手下ではあるまいにと
誰も気にしないのも確かだ
日が差さない夜は余り風は吹かないんだよと
山仕事もしていたホームレスの老人は一口追加した
なにを、決まってるじゃん、焼酎とウィスキーさ
初出「即興ゴルコンダ(仮)」
http://golconda.bbs.fc2.com/
タイトルは、さわ田マヨネさん
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