東京/天才詩人
 
暗い東京の夕暮れに、緑や黄色のランプがいくつも滲んでいた。
僕はただ黒いTシャツに汗をにじませながらタバコを吸い、
見えない受話器のむこうの相手に、話す。
カセットテープのバラードが流れている。
「あなたは国民の英雄で、そして伝説
ただひとり選ばれた存在」
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