裸眼散歩/
葉月 祐
れたとしても
そこにあるのは
悲しみばかりではない事を
忘れてはいけない
街灯が点いては消え、また点いて
その度に私の輪郭も
浮かんでは 消え また現れる
それを見つめている私を
雨臭い風がそっと濡らしていく
明日は雨だろうか
それでも構わない
夜を駆け抜ける風の音
カーディガン越しの冷たさ
なびく髪が少しだけ
重たさを増している
滲む視界に苦労しながら
家までの直線道路を歩いた
戻る
編
削
Point
(3)