裸眼散歩/葉月 祐
 
れたとしても
そこにあるのは
悲しみばかりではない事を
忘れてはいけない


街灯が点いては消え、また点いて
その度に私の輪郭も
浮かんでは 消え また現れる

それを見つめている私を
雨臭い風がそっと濡らしていく
明日は雨だろうか
それでも構わない


夜を駆け抜ける風の音
カーディガン越しの冷たさ
なびく髪が少しだけ
重たさを増している

滲む視界に苦労しながら
家までの直線道路を歩いた






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