夏のある日/鷲田
れた文字は
形を主張をしており
私は君との会話が全てであると信じる
信じて裏切られる
裏切りは勘違いであり
一方的は願望に過ぎなかったと文字は冷酷に語る
そうだ
何時だって勝利を手にしたのは
文字だった、刻印だった、規範であった
私は敗北する
そして敗北から勝利する
勝利からまた敗北し
敗北からまた勝利する
それは歩みというリズムであり
私の幸福である
私の方針である
今日、私は一つ勝利し
一つ敗北した
勝利
敗北
勝利
敗北
これらは次第に忘れ去られ
ただ、空が青く、無言がそこにあっただけだった
蝉がただ泣いているだけであった
夏のある日とは
平凡な日常が過ぎ去る一日という暦の瞬間だった
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