ダンス/鷲田
運命を呪うというのは
自らの遺伝子を呪うということ
運命を愛するというのは
自らの環境を愛するということ
私は地球の申し子であり
あなたの息子である
あなたの息子と同時に
独立した個体である
道を定めたのが神であれば
私は小さなモルモットに過ぎない
道を定めたのが自らであれば
私は傲慢と勘違いに毒された人間に過ぎない
ああ、氷は解ける
青白い光を放ち
私の感情の崩壊は
あなたという新たな存在への祝福か
それとも自己満足という世界の分裂の到来か
私は愛する
この環境を
この隣人を
私は憎む
この環境を
この隣人を
それは私が触れる景色であるから
立派な額縁に飾られた
ある風景の光と影
見るものが全てであり
見つめる眼が意志であり
私は現実と共に今日もダンスを奏でる
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