私/鷲田
思考は正確性と客観性を失い
分裂的な生真面目さを完全に喪失する
私は今、循環している
私は今、循環している
目の前にある景色に
耳に響く騒音と噂話に
掌の感覚とドラマのように過ぎる場面の一つ一つに
生きるとは証明をすることなのだ
証を次々と刻むことなのだ
全くの空間に 全くの状況に
刻印として刻まれた脳裏は
今の私の歩みの強度
人生は繊細だ
そして、それと同時に人生は鈍感だ
私は失いたい
得るのではなく
完全に捨て去りたい
そして、羽ばたきたい
その軽度と共に
その現実を凝視した視点の行きつく先に
一本の運命の糸が天まで続く時
私は怯えている
その強度に
到達地点に
自らの体力に
自らの運の強さに
私の弱さは私の循環だ
話していたい
頬んでいたい
会話がしたい
共感し合いたい
例えそれが間違っていても
正解はないのだ
人生は方程式ではなく
生暖かい肉片のようである
今日の暖かさよりも暖かい一つの体温である
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