まだ、あいまい/葉月 祐
『愛について書きなさい』
なんて言われたら
僕はもう お手上げだ
知らないものは書けない
カバンの中に無いものは
スケッチすら出来やしない
『何となく知ってます』
そんな曖昧な答えしか返せない自分が
書いて良いものじゃない
それだけは よく分かる
だけど
だけど
もしも
この先 生きていく中で
愛というものに
触れる時が来たら
もしも
この手で このからだで
その感触を知る事が
出来る日が来るのなら
その時は
手持ちの言葉で
目一杯 精一杯
書きたいと思う
その時僕は
喜びで満ちているんだろう
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