詩酔い/葉月 祐
 
私の心を揺さぶり
  笑い転げる事もあれば
  涙し、言葉が出ない事もあり

  私の中にも
  そんな言葉があったなら―――と
  思わずにはいられなかったし
  羨まずにはいられなかった

強烈な夕焼けの光で
黒髪が赤く染まる様に
透明な水溜まりに
傘の色がそのまま移る様に
何かの影響を受けて変わっていく

そんな言葉も あるのかもしれない

一度出逢ってしまえば
言葉の持つ引力に強く惹かれて
ハッと気付けばのめり込んでいる
色とりどりの言葉の中に浮かびながら
私は醒めない酔いの海を漂い続けている

詩に酔い
言葉の煌めきや熱に
心奪われながら
声に出来ない思いが溢れた


―――なんとすてきなかんかくだろう―――


この先も酔いは 醒める事は無いだろう
どうか二度と醒めません様にと
願わずにはいられない
どんな酒より愉しく酔えるものに
私は出逢ってしまったらしい




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