詩酔い/葉月 祐
私の心を揺さぶり
笑い転げる事もあれば
涙し、言葉が出ない事もあり
私の中にも
そんな言葉があったなら―――と
思わずにはいられなかったし
羨まずにはいられなかった
強烈な夕焼けの光で
黒髪が赤く染まる様に
透明な水溜まりに
傘の色がそのまま移る様に
何かの影響を受けて変わっていく
そんな言葉も あるのかもしれない
一度出逢ってしまえば
言葉の持つ引力に強く惹かれて
ハッと気付けばのめり込んでいる
色とりどりの言葉の中に浮かびながら
私は醒めない酔いの海を漂い続けている
詩に酔い
言葉の煌めきや熱に
心奪われながら
声に出来ない思いが溢れた
―――なんとすてきなかんかくだろう―――
この先も酔いは 醒める事は無いだろう
どうか二度と醒めません様にと
願わずにはいられない
どんな酒より愉しく酔えるものに
私は出逢ってしまったらしい
戻る 編 削 Point(5)