Avenida 68 (藝術としての詩・続)/天才詩人
 
たが、この街ではライトレールや路線バスはすべて南北に走る高速道路に沿って整備され、彼女の通勤はいつもそれだけで「一日が終わってしまうんじゃないかと思うくらい」の時間がかかった。「歩いたほうが早いんじゃないの?no ser? m?s f?cil moverte a pie?」と笑いながら僕が言うと、彼女は答える「あなたはまだ来たばかりだから、この街を東西の方向に移動することの大変さを知らないのよ。」

Lは続けた「私の家は68号通りにあるんだけど、人はその一帯をいまだに『72』って呼ぶ。廃線になった国鉄のターミナルが解体されたあと、市は区画整理のために一本一本の通りにつけられた番号を調整しにかか
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