七色の空間/st
 
はるか昔の         虚数時間がながれていたころ
すべては逆に動き      手をはなすとボールは山を登り
空間は七色の虹のようにみえていた

(うまれる前の記憶が     虹色のなかでよみがえる)   

やがて小さなあわのような  ゆらぎの玉ができ
しみだすように       この世界にとびだした

(いま わたしはうまれた)

この空間は透明で      実時間がながれている

そうだった         すべてが逆だったのだ 
まるでプリズムを通過する  ひかりが逆にすすむように
空間は透明になっている

やがて巨大なエネルギーにより  わたしは急激
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