七色の空間/st
はるか昔の 虚数時間がながれていたころ
すべては逆に動き 手をはなすとボールは山を登り
空間は七色の虹のようにみえていた
(うまれる前の記憶が 虹色のなかでよみがえる)
やがて小さなあわのような ゆらぎの玉ができ
しみだすように この世界にとびだした
(いま わたしはうまれた)
この空間は透明で 実時間がながれている
そうだった すべてが逆だったのだ
まるでプリズムを通過する ひかりが逆にすすむように
空間は透明になっている
やがて巨大なエネルギーにより わたしは急激
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)