暗闇の残像 /st
 
      暗闇の残像

きみを抱きしめて    すべての映像がじゃまになる
くらやみにてがのびて  僕の感覚は研ぎ澄まされる

柔肌のぬくもりが    残像と重なり合い
たかまる鼓動を     おさえきれない

もうなにもいらない   これからおこることがすべてだ 


        帽子

帽子がにあう人だった    あう時はいつも
僕が贈ったものばかり

お気に入りの        リボンのつば広帽子が
長い髪をひきたてていた

街行く人に面影をみつけ   たちどまっては
胸がたかなる

ひと夏の淡い恋の思い出が  カゲロウのように
生まれては消えてゆく
 

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